ハンカツー:舞台、芸能系の最近のブログ記事

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19日山野楽器のイベントホール。たまには、今まで聴いたことのない落語家さんを。
もう馬生を継いで20年もたってるんですね! あちこちのプロフィールの写真よりはだいぶお年(ありがちだけど)、びっくり。
夏らしく「唐茄子屋政談」「佃祭り」。なんといっても、銀座(木挽町)の生まれということで、言葉がきれい、まっとう、ちゃんとしてて嬉しい(全体が言葉も雰囲気もイナカな人なのにやたら「動く」を「いごく」とか使って自己満足している某噺家が嫌い! つか、そんなことすること自体がイナカッペイダッペイ)。 先代の陰気の美学と違って、語り口は明るめ。よいかも、もっと早く聞き始めればよかったかも。
二つ目は、馬吉「たらちね」。なんだか顔の濃ゆい人。隣のおばさんたちのささやき声(大きな)によるとマダムキラーだそうです。千代女ちゃん19歳にしてはすごみ過ぎかな、もちょっとかわいいのがいいな。
前座は林屋はな平、たしか2008年にパレット倶楽部で菊六さんの会に出てきた人かと・・・古今亭と仲良し? さらに巨大化して若乃花似になってました。芸は多少前進。暑いからね、その体型ではたいへんだと思うけど、高座返しはしゃきしゃき動こう!

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5月4日は、三鷹市公会堂(昭和の香り!)で立川志の輔さんの独演会があったので、友人を地元に迎えて1日お遊び。この日も写真はありませぬ。

前座は、また志の春くん(ほかにもお弟子さんいますよね?)。「看板のピン」優秀な前座さんで危なげのない、いかにも頭よさそうな、口跡もいい。まあ、老博徒のキャラはさすがにまだちょっと無理が。

志の輔さんは「バールのようなもの」と「紺屋高尾」のうれしい組み合わせ。どちらも聞くのは2回目だと思うけれど、微妙に変化、進化しているような。多少アク抜けた? 聞きやすくなったかな。

まくらは、まだ治らない靱帯損傷の指の話。最後の幕をふたたび上げてのおまけの雑談は、昇太さんの趣味の中世城郭探訪に付き合ってみたら、けっこう面白かったという話。

吉祥寺へのバスを途中で下りて、ジブリの前の「Patisserie Cote du bois (パティスリー コテ デュ ボワ)」(もうちょっとだけ名前が覚えやすいといいのに!)で、絶品のレアチーズケーキと季節のタルト。冷えた白ワインでいただきたかったかも♪

夕暮れの森を少しお散歩して、

エレファント・キッチンでおいすぃタイ料理。焼き茄子サラダ、ソフトシェルクラブ・・・久しぶりのカピご飯をま〜ぜまぜして、シンハービールで幸せプハ〜っ♪ あのタイの完熟激旨マンゴーともち米のデザート出てましたが、お腹いっぱいで食べられなかったけれど、シーズン終わってしまうかも・・・

※今週末は代々木でタイフェスだって、でもなあ、もう並ぶ根性がないのでパスかな。通りがかりに帰るようなお土産だけあるかチェックかな。

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落語、歌舞伎、文楽ときまして、まだ手を付けていないものが能狂言・・・
まあ、予算というものもあるので、手を付けない方が無難かなとも思い、でも、他のものを理解するためにも早めに見といた方がいいよなとも思い。毎年地元でやっている「みたか弥生能」@古くさ〜い市の公会堂で「安い&近い」という理由で半端な超遅まきデビューであります。
ま、あぜくら会で取ればいいんだけどさ、どれから手を付けていいか分からない訳よ。

演目は、片桐登先生という方の解説があって
仕舞が「屋島」「船弁慶」「碇潜」と、まあどうにか筋に想像がつきやすい3つ。でも長刀出すのは、いつも歌舞伎でやっている「船弁慶」じゃなくて「碇潜」の方ざんした、ちっと混乱した^^;)
この日最初から眠かったので、寝ちゃうかもと心配していたけれど、隣のおばさまが1分で撃沈(というか、上向きに爆睡!)なさったのでびっくりして起きたまま拝見(笑)。

狂言が「蝸牛」、これはNHKの「古典芸能入門」でちょっと前に見たばっかりだったのでラッキー。覚えやすい楽しい囃し歌で終わるし、カタツムリにしては動きが軽やかなミュージカルなのだ。

ただ、TVで見たときは、おじ〜〜〜さんたちが渋くやっていた訳ですが、この舞台のみなさんは若い(主役の野村万蔵さんは、たいへん童顔の44歳)、そうするとですね、腕のいい悪いではない(腕は分からないけど)、なにか違和感が・・・。
頭の半分はその違和感の追求に向かい→→→髪型でした!  おじいさんの少ない髪をぺっとりなでつけた頭だと、下の衣装とそれなりに調和して見えるんだけど、若者のぼわぼわしたサラリーマンっぽい頭というか、郵便局の配達のお兄ちゃんみたいな顔と頭なので、なんだか頭と時代物の体が、非常に非常に不釣り合い!なのでありました。
ええと、江戸時代の狂言師はやっぱりちょんまげでしょうか?  歌舞伎役者はかつらだからいいけど、狂言はカツラっていう選択肢は選ばなかったのかな。普段ちょんまげで居るわけにもいかないだろうけどねえ。馴れれば気にならなくなるのかな?

でメインのお能。「いかにせん都の春も惜しけれどなれし東の花や散るらん」 花見の話なのでこの季節に選ばれたのでしょう。
この演目は、歌舞伎で玉三郎×仁左衛門〜♪で見たことあるの。お二人たいへん美しく優雅、玉様の、たしか、その時に新調なすった2千万円だったかのゴージャスな衣装がすんごい!だったぞ、花道の横で近々と見たぞ!という記憶あり(と今回の衣装は、残念ながらかなり見劣りが、でも本当はいいもの?)。

と知っている分かりやすい話だし、謡いも再予習(半魚文庫:謡曲三百五十番)してあったので、だいたいついて行けたかなぐらい。ふーんふーん、そうなんだ〜、こういう表現なんだ〜と、まだ楽しむとか味わうとかへの道は遠そうでありました。美しさも・・・残念ながら時々しか感じなかったかな。と正直に。

次は一応幽玄能をどこかで・・・と、再挑戦の意志だけはあり(^o^) だって、やっぱり月並みながら白州正子や多田富雄さんの本を読むと、すごいおもしろそうな訳で、これをちょっとも齧らないままスルーするのは惜しそうね!? 

※今回は観世流、シテは「観世芳伸:二十六世観世宗家・観世清和の実弟で、重要無形文化財綜合指定保持者。観世流能楽師として第一線で舞台に立つほか、ワークショップ等を通じて能の普及活動にも取り組んでいる。」ということらしい。

※もらったチラシによると、夏の巡業歌舞伎東コースは、「恋女房染分手綱」魁春、錦吾+「勧進帳」幸四郎、魁春、梅玉。三鷹では7月19日。う〜ん、かなり微妙。
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昨日の3月6日。オリンパスプラザが土曜営業再開、記念に無料でカメラ診断&クリーニングをサービス♪ 一人5点までなので、カメラ2台とレンズ3つ持って駆けつけました。
E-3を2台クロスにたすき掛けして、松レンズ3つ持ったおじさんばっかりかと思ったけど、まあ、そこまですごい人ばかりでもなかったようで、ほっ! 
 しかし、窓口を4つ用意してくれていたものの、10時すぎに並んで、ちょっと不具合のあった620は入院させて、終わったときにはお昼になってました^^;)  朝一より出てくるお昼ぐらいの方が空いてたように見えた。

せっかく土曜のお昼に神保町近く、これは、やっぱりサラファン(食べログ)の赤汁ことボルシチでしょう。お昼に行ったことないのでチャ〜ンス。ちょっと12時から遅れたものの、早く入っていたらしいお客さんがちょうど終わったところですぐに席が空いてラッキーでした。

20100306-2.jpg日替わりもメインディッシュは若鶏のピカタ(久しぶりに410で撮ってあまり上手じゃないですね)、おいしかったな〜。
しかし、あの赤汁のキャベツの甘さ+香ばしさはどうやって出すのかな。今度、縮緬キャベツ売ってたらどうにか近づけてみたい(サラファンさんのは、縮緬じゃないけどおいしいんだけど)。「がってん」でよくやってるみたいに70℃とか低い温度の時間を長くするとか、なにか秘訣があるのであろうか?

20100306_018-002.jpgどうせなら幸せついでに、噂の「さゝま」(HP)の和菓子も!
「草包み」草餅ですが、切って包みました型。このお餅がほわほわに柔らかくてびっくりよ。もちろん餡も上品おいしいです。

20100307_006-001.jpgもうひとつは、某師匠に「世界一おいしい桜餅」とすっかり刷り込まれてしまった桜餅。わたしの好きな道明寺タイプだ♪ しかも「ぬる燗と一緒が最高」と熱く教わりましたので、素直に実行いたしましたぞ。お酒はね、どれがいいか分からなかったので、サクラつながりで「出羽桜」のスッキリ目です。
確かに、美味しい! これは、旨いね! 日本酒でお菓子というのは、なんだか、禁断の世界に足を・・・

あ、修理が終わったらまた受け取りに行くのだ、危険危険。

もちろん、神保町なので古本もあるよね〜。

20100306-3.jpg去年、古典芸能系を求めて彷徨い混んだ手塚書房さんが、東京堂の裏にお引っ越ししてました。
一応あらかじめHPでチェックしておいた「吉田栄三自伝」が目的。さすがに昭和23年の本は、実物を見ないと、ぼろぼろすぎて寝床に持ち込めないこともあるので。

20100307_016.jpgいやあ鴻池のハンコだよん!
 江戸時代のあの日本一のお金持ちの後裔、超通人、天才と言われた人、32歳で戦死。世が世なら「総身が金」の若旦那だったお方。これでたった2冊の著作は一応揃いました。本人についての研究文献をなんやら捜してみたい気分。

あと、アンツルさんが一冊と、前から捜していたニザ様特集の「和楽」2006年4月号。まだ前日に仕入れてきたばかりで値付けもしていなかったのを掠ってきてしまいましたとさ。ラッキー♪

となかなか充実の一日でした。
ほんとは、前週のフォトパス感謝祭でもらった招待券で岩合さんのネコの写真の展覧会に行こうと思ったんですが、雨だし、荷物いっぱいだしで廻りきらず。

20100224_010.jpg2月の歌舞伎座は、平常バージョンにプラスして初午の地口行燈が飾ってあるぐらい、やっぱり先月、お正月飾りいっぱいの時に場内を激写しておいてよかったな。ちょっと寂しく感じたので、松竹さん、妙に金ピカピカのゴージャスチケット入れを大量に用意するより、残り2ヶ月場内を華やかに盛り上げる方に力を使って欲しかったかも。

夜の演目は、壺坂の「あばた」の座頭さんから、籠釣瓶の超「あばた」(あんまりあばたが描いてあるので目の動きがよく分からん!)の田舎のお大尽(? どのくらい金持ちなんだろ)へと、間に狂言を挟んで、アバターからアバターへでした。今月は昼の部の観劇は無しョ。

一、壺坂霊験記
心配だった福助さんの過剰演技は今日は押さえられていて、ほっ!(オペラグラスで覗いていると、表情に媚び過多の場面もはあったが)、三津五郎さんは安心の出来、ちょっと剽げているところがよい味だけど、でも、あんな明るい性格の人が飛び降り自殺するかしらん? 出来心でぴょいっ?
谷底の場で、「むっくり」起きるところで、二人揃ってぴょこっと妙に敏捷に飛び起きたのはちょっと笑えた。

とってもやんちゃそうな子役さんだった観音様は、玉太郎君。浅田真央ちゃんだったらものすごい似合ったかもと思いつつ。(家系図で理解:歌右衛門(6)の芸養子=中村東蔵の子=中村松江のお子様)

これは、早く文楽で見なくっちゃの演目。たぶんもっと哀れさが際だつのだと思うのだけれど・・・。文楽でも観音様が出現するのかな? そんな人形あるのかな?

二、高坏
機嫌がよくって軽味を出したこういう役柄の勘三郎さんの愛嬌は無敵。いつも『明治キワモノ歌舞伎 空飛ぶ五代目菊五郎』amazonのひいお祖父さん、の「すばしっこくて客喜ばせ」という表現を思い出します)タップダンスの中に、オリンピックに合わせてスピードスケートの身振りも入れてサービス。
亀蔵さんもがんばる! カモ?ハト?の柄の肩衣がかわいいっす。

三、籠釣瓶花街酔醒
これはもうなんと言っても、八ツ橋の玉さまの美しさ! いいもの見ました。うっとり♪ やっとあの「八ツ橋のにっこり」をしかも玉さまで見ることができてたいへん幸せ。もちろん、すごいいい男の情男であるところの仁左衛門さんもばっちり決まって、ため息。勘三郎さんも芸盛りって感じですね。お見事でした。愛想づかしされるところでは、ぎゅーっと観客の視線を引き寄せる演技だった。

勘太郎君の声がますますお父さんそっくりに! 舞台に勘三郎さんが二人いるかと思うぐらいだった。
今月は十七世勘三郎追善公演なので、2Fのロビーに中村屋さんの写真がいろいろ飾ってあったけど、現勘三郎さんはどんどん先代に似ていくし、勘九郎時代に勘太郎君はよく似ているし、DNA恐るべし。「高杯」でも橋之介さんの顔がどんどん伸びてお父さんに似てきて浮世絵顔になってきたのも、やっぱりDNA恐るべし! (ニザ様のDNAや〜い! どこで優勢?  だけどね〜笑)

20100224_011.jpgあなごの「日本橋 玉ゐ」が、しばらく前から歌舞伎座正面右脇に出店(前は喫茶店だったところ?)。予約しておいて幕間に走り込んで、箱メシ(小)1600円にお出汁200円をオプション、かつお酒を一本と贅沢してみました。ええと穴子にはぜんぜん文句無し! 美味しいんだけれど、全体として1800円食事代に払った場合、お新香しか野菜っけがないというか、いかにも単品仕様なのが、ちょっともったいない感じかも、なう、かも(笑)。
しかし、この単品的食事でも30分の幕間駆け込みで戻りました。歌舞伎座内の吉兆さんは、いろいろ料理が出てくる模様だけど間に合うの?と思ったが、今見たら幕の内弁当(6.300円!)なので間に合うのかな。



20100112-12.jpgこれまた蔵出しネタです、しかも年越し・・・m(_ _)m
 
去年の12月22日。早稲田の穴八幡で一陽来復のお守り買ってきたよ〜というのは、すでにブログに書いたのですが、その時の本当の目的イベントは、「研究報告会 文楽フィルム『日本の人形劇」(MARIONNETTES JAPONAISES)』 主催:演劇博物館グローバルCOE日本演劇研究コース・映像研究コース」 (長!)というものでした。

上の朝日新聞他の記事に、フランスのアルベール・カーン博物館で、古い文楽の記録映画が発見された、その研究上映会が早稲田であるよ〜、しかも無料とな。

二代豊竹古靱太夫(→豊竹山城少掾)、三代鶴沢清六、初代吉田栄三、三代吉田文五郎(→吉田難波掾)の動く姿が見られるんですぞ!  アンツルさんの「文楽 人と芸」(松岡正剛先生の紹介も必読!)あたりで手に汗にぎる芸談の凄腕の名人たちですわい。

整理券を配るという時間の30分前に着いたら、もう40人ぐらいの行列が! あんたも好きじゃな〜(by 枝雀)。結局、本会場の他にモニターで別室会場も設けられたらしい。

ご挨拶やこのフィルムの歴史的意味などのお話があって、いよいよ上映!
って、まずお断り「音声は付きません」・・・がちょ〜んですね。当たり前にそうでした。でもさすがに42分音無で見るのは、どんな文楽マニアでも気絶、と適度な解説を入れながらやってくださったので、とってもおもしろかった。舞台部分は『妹背山婦女庭訓』から「道行恋苧環」(お三輪:文五郎、求女:三代目吉田玉蔵:橘姫=栄三)、『本朝廿四孝』から「十種香の段」(八重垣姫:栄三、勝頼:吉田玉次郎)、同「奥庭狐火の段」(八重垣姫:栄三)だったかと。

一度話を聞いてみたかった内山美樹子先生のお話があって、「お楽しみ、実験があるので、話はほどほどに」と気を持たせ、なにかと思ったら、登場する名人ずばりではないけれど、当時のSP盤から選んで音を合わせて見ました、と上演部分20分ほどをもう一回。はい、やっぱりこれはよく分かります! すごい!

しかし、苦虫百匹もかみ殺したような写真ばっかり見ていた名人たちが、にこやかに笑いながら人形こしらえなんかしている楽屋風景だけでもおもしろかったな。

ちなみに、当時は撮影自体が、音声なしが前提だからして、三業揃って演じてではなく(床の上に誰もいない!)かけ声とか、軽い合図のような浄瑠璃で使ってたんじゃないかというようなことでした。

これは、この後手を入れて、演劇博物館で試聴できるようにしてくれるらしいです。楽しみ!  再生スピードをなんだかいろいろ試したということで、昔のフィルムの上映にありがちなちゃかちゃかした動きではなく非常に自然だった。このへんは、デジタルの恩恵かな?

贅沢を言えば、このフィルムを現役の三業の人に見せて解説や感想や、どこが違いますね〜っというような話を聞く会とかあればおもしろいかも、と思ったり。

ついでに、といっては何ですが、演劇博物館も訪問。坪内逍遙先生(といっても、業績をよく知らない、汗)顕彰ね。
シェイクスピア所縁のグローブ座を意識した設計の建物、ということらしいですが、ハーフティンバーのイメージは、ロンドンのリバティ百貨店(大好き!)を思い出しました。まあ、木に竹を接いだといえばそうなんですが、さすがに、年月の力でアクが取れてまあ馴染んでいるかも、古い洋館な感じは好きかも。

企画展は「並木宗輔展--浄瑠璃の黄金時代--」(菅原伝授、千本桜、仮名手本の3大名作の合作者の一人)。なるほどね!という感じで研究報告会と合わせて興味深く。

↓クリスマスツリー立ってます。っていうところも、リバティを思い出させたかも from 昔々のロンドン旅行。

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もうすぐ2月の観劇だっていうのに、1月のお芝居がそのままお蔵入りしてました。
張り切って1月2日の初芝居、夜の部へ。さすがに華やいでいてお着物率高いです。しかるべきお着物を持ってる人は、ここで着なけりゃどこで着る?! わたしはいつも通りのユニクロのジーンズで3階へほいほいほいっとナ^^;)

もうそろそろ最後だと思って一眼レフ持参、撮ったのをまとめたのはこちらのアルバムにも。

●春の寿
初日を取った理由は、お正月気分ともうひとつにはここ数年出ていなかった雀右衛門さんを今の歌舞伎座で見るため。体力不安なので途中で休演になったら困るなと思って念を入れて初日。
ああしかし、当日のお昼に「だめです」と電話が掛かってきたそうで(隣のおばさまが、館の人に問いただしたと話していた)、残念ながら休演でありました(たぶん、最後まで休演だったはず)。まあ、、梅玉さんは安心。福助さんも踊りだけで芝居無しなら安心^^;)と、おめでた気分は盛り上がるということで。

●菅原伝授手習鑑 車引
この一幕がこの日の目玉。
歌舞伎ならではの楽しさで大当たり! こういう荒唐無稽で、見た目の楽しさ、所作のおもしろさ、スケール感、やっぱり荒事は歌舞伎の華ですね〜。
いつもいつも力みかえってしゅっしゅぽっぽっブルブル〜ってうるさい幸四郎さんも、この車引きの松王丸だったらいくら力入れていただいてもいいし(笑)、吉右衛門さんの梅王丸、力いっぱいでたいへんたいへん結構。富十郎さんはいつも見る時平より上品なつくりで、かつ口跡明晰華麗&凄みですばらしい。なんと初役の芝翫さん(1928年生まれ)の匂うようななよやか若者桜丸は、歌舞伎ならではのグロ〜い美くしさ。4人とも揃ってこんなけっこうな車引きはもう当分見られないかな。

たとえば丸本もの(文楽と同じ浄瑠璃の本を歌舞伎で演じる場合)、歌舞伎はスターシステムなので、話の筋(合理性とか、つながりとか、心理的な流れとか)を犠牲にしても、中心の役者が魅力的に見えるように改作しちゃうわけですが、それが、演技がよければOKなんだけれど、だめだめの役者がやった場合は、魅力もないし、話もなんだか通じないよなあとどんどん芝居から心が離れ、この人はとうてい美女には見えないし・・・などとぼろぼろになって、ああ、文楽の方がよっぽどいいわとなってしまう。けれども、よい役者と演技に当たった場合は、舞台に照り映えるようなオーラが出るわけで、その当たった時のスケールはやっぱり文楽よりでかい! と、これはそのオーラ出たパターン♪ 保留事項無しに花丸。

●娘道成寺
玉さま、あるいは玉さま×菊之助さんのように、魂が飛ぶほどきれい!という訳ではない・・・
三津五郎さんの、驚くべしおぼこな娘が現前したぞ、というような感じでもない・・・
あとは誰で見たっけな、福助さんと、籐十郎さんとかな。
で、ん〜んとね、もちろん踊りは(たぶんとっても)上手で文句の無いところですが、なんつーか臈長けた、色気はもちろんあるけど、それなりに人生酸いも甘いもな花子さんで、こんなに大人な感じだと、一途に思い詰めて安珍さん追っかけ廻したり取り憑いてたりしなさそう、と思ったことでありました^^;) この世ならぬ・・・という感じが少し足りなかったのかも。
團十郎さんのしゅっしゅっぽっっぽの押し戻し付きで最後華やかに。

●切られ与三
前3つがよかったので、また福助さんがへんなこと始めるんじゃないかと、印象台無しになるよりはいっそ帰ろうかと真剣に悩みましたが、まあ、ちょっともったいないよね、とどきどきしながら残り・・・。
福助さん、久しぶりに抑えめで、口ひん曲げもせず、くにゃくにゃ媚びもうらずで、もうそれだけでありがたいという・・・(なにか彼の役の解釈として「若い」とか「可愛い」という要素が必要だと思うと、あの自爆スイッチが入ってしまうのであろうか? お富さんは姐御だから大丈夫だったのか)。
染五郎若旦那は、そこまでつっころばしか、と思うほどつっころばしだったけど、あれはあれでいいのかな(お富さんが姐さんぽすぎるので、あんなふにゃふにゃな若造に一目惚れするとはとても思えず、S姐さんとM男君と解釈すればあり?)。少なくとも後半の源氏店、ゆすりたかりに来たところからは、あんまりおぼっちゃんのままでなく、もうちょっと墜ちた凄みが欲しいかと。
ちょうど今読んでいる最初にこのお芝居が出来たときに蝙蝠安を演じた三代目中村仲蔵の「手前味噌」という自伝で、工夫したいろいろが書いてあったのでおもしろかった。

※いつものように渡辺保先生の評にリンクを張っておきます。まっとうな評をどうぞ。
(バックナンバーが本になったのに、まだ買ってないや・・・! というか渾身の力作「江戸演劇史」にまだ手が着いてませぬ)

1月は夜の部だけ、昼の部はいきませんでした。

20100102_223.jpg夜の歌舞伎座がいつもより綺麗に撮れたのは、たぶんNHKの中継が入ってライトアップされていたため。
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一、春の寿
 梅玉
 福助
 雀右衛門→魁春

二、菅原伝授手習鑑 車引
 桜丸 芝翫
 梅王丸 吉右衛門
 杉王丸 錦之助  
 金棒引藤内 錦吾
 松王丸 幸四郎
 藤原時平 富十郎

三、京鹿子娘道成寺 道行より押戻しまで
 白拍子花子 勘三郎
 所化 高麗蔵、松江、種太郎、新悟 、種之助、宗之助
 大館左馬五郎 團十郎

四、与話情浮名横櫛 木更津海岸見染の場 源氏店妾宅の場
 切られ与三郎 染五郎
 お富 福助  
 鳶頭金五郎 錦之助  
 番頭藤八 錦吾
 蝙蝠安 彌十郎
 和泉屋多左衛門 歌六

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まだ09年の12月の観劇記録です。

世田谷パブリックシアターにて。「現代イタリア演劇界の鬼才」で「舞台装置がすごいおもしろいらしい」とも言われ・・・。いままでフェスティバル/トーキョーはわりと当たりの演目が多かったので、行ってみましたが・・・ちょっとこれは外したな。

わざとかも知れないけれど、女優さんがつっぱらかっててぎっこんばったんした演技・・・せりふが英語なのがよくないのか(だいたい何故、英語で演技・・・字幕つけるならイタリア語でもいいんじゃない)?、子役に名演技は求めるのは無理にしても、これもぎくしゃく。父親が息子を近親相姦、暴力をふるう暗示表現は気持ち悪く、後半ののたうち回る身体障害者(罪に落ちた父親?)による演技とそれを模倣する動きも、ジャイアントぽく巨大化した半ズボンの息子(大人になって父を許す?)もうむむむむ。煉獄の「罪」は出てきても「浄化」はあったのかしら、と・・・なんかもう半端でいや〜んな感じで終わってしまいました。

せめて噂の舞台装置は、と一番目玉の(?)、ちらしに使われている丸窓の向こうを巨大な花が動いていくシーンは、なんだか装置がちゃちくてこけおどしチックでがっかり(カステルリッチさんは、人も装置もぎっこんばったんした動きがお好きか?)。写真で見るとかっこいいんだけどね〜。
そのこけおどし感は、子どもの時にテレビで見て、あまりのB級さ加減にいまだに忘れられないイタリア製の巨大生物パニック映画「テンタクルズ」のスーパー脱力っぷりを思い出しました(巨大タコと闘うシャチ:水槽のなかで手でもってひらひらさせてるタコの足を、棒の先につけたシャチ型の模型で突っついているのが見え見え、後ろを盛り上げるやたらドラマチックな男性合唱、ただし4人ぐらい!)。イタリアのこけおどしな外し方には、何か共通性があるのかもしれにゃいなあ^^;) 

一応、立ち上がって熱烈な拍手を送っていた人が(数名は)いたことを明記しておきます(笑)。あと、地獄編のほうが派手でおもしろかったという噂もね。

つまり、今年のわたしのフェスティバル/トーキョーは一勝一敗であった。勝ちは11月に見たブラジルのコンテンポラリーダンス、グルーポ・ヂ・フーア
20100106_015.jpg(写真はまったく関係なくジョウビタキ♂)

というあまりにも長い長い、2時間ドラマのように長いタイトルの落語会。場内放送で思わず笑っちゃった。12月16日に池袋の東京芸術劇場・小ホール。

柳家ろべえ:初天神
無難でござった、ように記憶します。団子を舐めて蜜を吸い取るところが、団子が丸いのが並んで刺さっていると言うよりは、べたっとした御弊餅系(?)の団子に見えたような。

真打ち三人はテーマが決まっていて「わるい奴ら」(次の日は「困った人たち」だったらしい)

柳家喜多八:鰻の幇間
落語国の住人は良い人ばかりなので、悪いといえばこの「鰻の幇間に出てくる<せんのところの男>」とアンツル先生も決めてましたね。
鰻が強(こわ)くて、「筋肉隆々で、ウツボじゃねえか」というのが印象に残ってるなあ。
あとはマクラで、「もぐら泥」をやろうかと思ったけれど、手の甲を前に出したままにすると、毛深いところが目立って嫌、前に剃ってやったことがあるけれど、それはそれでお客さんから指摘されたというしょうもない話が印象深かった、イヤン。

瀧川鯉昇:ねずみ
はて、鯉昇さんが年末に聞きたくてこの会を取ったはず。ええとええと、どんなだったかな、わりと普通にやったんだよね。年末仕事が多くてお疲れだったのかな。
そうそう、後添えになった女中頭と結託して旦那と子どもを追い出した番頭が悪い奴。で、その番頭に、もともとは女中頭と恋仲で結婚する予定だったのに、旦那に横取りされた、と思いやり深いしかるべき理由がついていたのが始めてのパターン。

入船亭扇遊:三枚起請
ええと、声の質も演じ方も、そして台詞のいちいちまで志ん朝さんのにそっくりでありました、びっくり! と思った。

楽しくすごせた2時間ではあったけれど、すごかったり、目からウロコが落ちたり、よよと泣いたりはしなかった・・・というわけで、1ヶ月も書かないで寝かしたら印象があまり残っていませぬ。まあ、そのぐらいが普通の落語会(の上レベル)だけどね。
20091224_044.jpg↑よく3階通路に立って声をかけている大向こうさんがいるけど、こんな視界なんですね。舞台見えない、花道は当然ながらゼロじゃん。まあ、立ってかけてる人は木戸御免になっているのであろうからして大ベテラン、芝居はもう空で覚え・・・。

「引窓」 三津五郎さんのもよかったし、橋之助さんの濡れ髪もなかなか立派な相撲取りっぷりだったけれど、たぶん、この芝居の筋そのものが、私はまだ腑に落ちていないのですごい面白いとまではいかず。やっぱりこれは、文楽の方でも見てみたい=浄瑠璃でしっかり聞いてみたい演目か。

「雪傾城」 芝翫さんが孫6人と踊る。福助さんとこの児太郎君が、立派に女形に見えました(お父さんしっかり!)。あとは、やっぱり橋之助さんとこの一番おちびちゃんがカワイイね。中村一家はなかなか末広がりで末頼もしい。というのは、今ちょうど3代目中村仲蔵の「手前味噌」を読んでいるので、中村勘三郎家の浮沈の歴史がおもしろ〜いところ。

「野田版 鼠小僧」 やっと初見。かなりおもしろかった。脚本としてもクドカンに一日の長あり、練り上げられて(2003年初演)こちらは、数年分の長ありでよくこなれているので、アハハと笑うだけでなく中身もだいぶこってり。クドカンも派遣問題など織り込んではいるのだけれどぜんぜん未消化だったので、野田版のもっと普遍的な権力vs庶民の扱いの方がお見事でした。

孝太郎さんも、福助さんに負けじとはじけた大騒ぎ。お父さんは京都だしね〜^^;)というか、主役以外の女形がみんな過剰な大騒ぎのどたばたギャーギャーになるのは、新作を通しての特徴? 普通に演技して見せる新しい歌舞伎はだれか書けないものかは?

亀蔵さんは、巨大な遺影として登場、本人は「らくだ」張りの踊る死体だった。これも亀蔵さんに当て書きしたくなるのは、よ〜っく分かるけれど、普通に渋い演技も見たいよね。いえ、おもしろかったですが。

↓「シネマ歌舞伎」の第一弾だったのね。予告編発見。


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一、双蝶々曲輪日記 引窓
南与兵衛後に南方十次兵衛 三津五郎
濡髪長五郎 橋之助
平岡丹平 秀調
三原伝造 巳之助
母お幸 右之助
お早 扇雀

二、御名残押絵交張 雪傾城
傾城 芝翫
役者栄之丞 勘太郎
芝居茶屋娘お久 七之助
新造香梅 児太郎
雪の精 奴 国生
雪の精景清 宗生
雪の精 禿 宜生

三、野田版 鼠小僧
棺桶屋三太 勘三郎
お高 福助
與吉 橋之助
大岡妻りよ 孝太郎
稲葉幸蔵 染五郎
目明しの清吉 勘太郎
おしな 七之助
さん太 宜生
與惣兵衛 井之上隆志
凧蔵 猿弥
辺見勢左衛門  亀蔵
独楽太 市蔵
番頭藤太郎 彌十郎
おらん 扇雀
大岡忠相 三津五郎



↑少しよく撮れた写真は、こちらに投稿してますのでヨロシク♪

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