12月の歌舞伎座 夜の部

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20091224_044.jpg↑よく3階通路に立って声をかけている大向こうさんがいるけど、こんな視界なんですね。舞台見えない、花道は当然ながらゼロじゃん。まあ、立ってかけてる人は木戸御免になっているのであろうからして大ベテラン、芝居はもう空で覚え・・・。

「引窓」 三津五郎さんのもよかったし、橋之助さんの濡れ髪もなかなか立派な相撲取りっぷりだったけれど、たぶん、この芝居の筋そのものが、私はまだ腑に落ちていないのですごい面白いとまではいかず。やっぱりこれは、文楽の方でも見てみたい=浄瑠璃でしっかり聞いてみたい演目か。

「雪傾城」 芝翫さんが孫6人と踊る。福助さんとこの児太郎君が、立派に女形に見えました(お父さんしっかり!)。あとは、やっぱり橋之助さんとこの一番おちびちゃんがカワイイね。中村一家はなかなか末広がりで末頼もしい。というのは、今ちょうど3代目中村仲蔵の「手前味噌」を読んでいるので、中村勘三郎家の浮沈の歴史がおもしろ〜いところ。

「野田版 鼠小僧」 やっと初見。かなりおもしろかった。脚本としてもクドカンに一日の長あり、練り上げられて(2003年初演)こちらは、数年分の長ありでよくこなれているので、アハハと笑うだけでなく中身もだいぶこってり。クドカンも派遣問題など織り込んではいるのだけれどぜんぜん未消化だったので、野田版のもっと普遍的な権力vs庶民の扱いの方がお見事でした。

孝太郎さんも、福助さんに負けじとはじけた大騒ぎ。お父さんは京都だしね〜^^;)というか、主役以外の女形がみんな過剰な大騒ぎのどたばたギャーギャーになるのは、新作を通しての特徴? 普通に演技して見せる新しい歌舞伎はだれか書けないものかは?

亀蔵さんは、巨大な遺影として登場、本人は「らくだ」張りの踊る死体だった。これも亀蔵さんに当て書きしたくなるのは、よ〜っく分かるけれど、普通に渋い演技も見たいよね。いえ、おもしろかったですが。

↓「シネマ歌舞伎」の第一弾だったのね。予告編発見。


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一、双蝶々曲輪日記 引窓
南与兵衛後に南方十次兵衛 三津五郎
濡髪長五郎 橋之助
平岡丹平 秀調
三原伝造 巳之助
母お幸 右之助
お早 扇雀

二、御名残押絵交張 雪傾城
傾城 芝翫
役者栄之丞 勘太郎
芝居茶屋娘お久 七之助
新造香梅 児太郎
雪の精 奴 国生
雪の精景清 宗生
雪の精 禿 宜生

三、野田版 鼠小僧
棺桶屋三太 勘三郎
お高 福助
與吉 橋之助
大岡妻りよ 孝太郎
稲葉幸蔵 染五郎
目明しの清吉 勘太郎
おしな 七之助
さん太 宜生
與惣兵衛 井之上隆志
凧蔵 猿弥
辺見勢左衛門  亀蔵
独楽太 市蔵
番頭藤太郎 彌十郎
おらん 扇雀
大岡忠相 三津五郎

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このページは、かえるが2010年1月14日 18:09に書いたブログ記事です。

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