↑かなり好物の歌舞伎座名物「めで鯛焼き」(紅白お餅入り)の写真撮らせてもらいました。歌舞伎座建て替え中はどうするのかな、新橋演舞場とかでやるのかしら?
「操り三番叟」は、箱の中から出された木偶が人形振りで踊るというのが見もの。勘太郎さん、きびきびとした動きで軽やかで面白かった。
渡辺保先生も「西洋のマリオネットのような動きで」と書いているけど、他の人のはもっと和風にふわりふわり踊るのかしら? 獅童が翁だったのは、気がつかなかったというか、そもそも翁とは気がつかなかった^^;)、三番叟だけど、なにか違うものが出てきているのだと思って見ていた・・・ 「とうとうたらり」あったっけか?
「野崎村」はねえ、福助さんがお光ちゃんだったのでいやな予感がしていたのですが、悪い方向に大当たり。始まり〜中盤もぼつぼつ悪かったけれど、最後、土手の上で久松を見送るシーンが最悪。「私は大丈夫だから、心配しないでね」というのを表しているつもりなんだけど、顔ゆがめまくって媚びを売って、自分を指したり、伸び上がったり大騒ぎ。ええと・・・安っぽいスナックのお姉さんが帰っていくお客さんに媚びの限りを尽くしてお見送りしているようでした(だいたい久松、あんたのこと見てないし・・・、それどころじゃないし)。なんとまあ醜い下品な芝居だったこと・・・。久松が見えなくなってから、ふり返ってお父さんにすがりついて泣くのも大騒ぎでぎゃーぎゃー。尼になった覚悟と諦念はどうした!? 腹違いも大違いのコンコンチキでうんざり。口の両側縫い付けて大きく開かないようにしてやりたい!と思ったり。孝太郎さんのお染は、やることはちゃんとやってたけど、なんだか精彩無し。
「身替座禅」は、かなりおもしろく、三津五郎さんの上品な(ほっぺも他の人ほど真っ赤っかにしてない)奥方が怖かわいいとでも。勘三郎さんは、もちろん、こういう軽みのあるのはお手のもの。
クドカンの「大江戸りびんぐでっど」は、きっと仕上げがかなり押してただろうから、後半舞台上で修正済みになってから見た方がいいだろうという計算のもと、夜の部の観劇は12月24日まで待ちました(
クドカンの12月の日記を読むと正しい選択だったもよう)。そのかわり、歌舞伎じゃないとか、冒涜だとか、怒り狂ったブログの記事を前もってたくさん見ることになった^^;)
でもね、別に傑作とも思わないけれど、「タイガー&ドラゴン」のクドカンが脚本で、タイトルと役名からして落語リミックスネタだろうしと想像はついていたので、ぜんぜん想定範囲内だった。まあ、「野崎村」よりはよっぽどましで楽しめたことは確か。どんどん挑戦して欲しいものです。たぶんね、歌舞伎だけ見て、なんだか神聖視している人、および、初日近くに行った人にはお気の毒としか・・・。まあどうせなら後20分ぐらい切り詰めるといいな。あと、結末もちょっと未消化かも。
しかし、わたしはなんと言っても、死人と人以外の役が大得意の片岡亀蔵さんのファンなので、亀蔵さんがやらなきゃ誰がやるというゾンビの隊長で大活躍、期待以上に出も台詞も多かったので大喜び。なにしろ最初から、イルカのクサヤですから^^;) ゾンビ総踊りも中心でたっぷりよ♪
女郎役の扇雀さんと、福助さんは、いつものように新作では、ぶち切れた怪演を競い。むしろ、扇雀さんの方が勝っていたかも。福助さん、こっちにへんなエネルギーは廻して、野崎村はしっとりやってくれればよかったのになあ。
ざっと気がついた元の落語は、「居残り(左平次)」「らくだ」「三枚起請」「仔猫」「品川心中」「五人廻し」「死に神」「永代橋」・・・あと仇討ちとお奉行さま部分もたぶん元ネタ(噺)があったはず。落語以外に「椿三十郎」、もちろん三津五郎さんは「丹下作膳」のパロディなど?
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一、操り三番叟
三番叟 勘太郎
後見 松也
千歳 鶴松
翁 獅童
二、新版歌祭文 野崎村
お光 福助
お染 孝太郎
後家お常 秀調
久作 彌十郎
久松 橋之助
三、新古演劇十種の内 身替座禅
山蔭右京 勘三郎
太郎冠者 染五郎
侍女千枝 巳之助
侍女小枝 新悟
奥方玉の井 三津五郎
四、大江戸りびんぐでっど
半助 染五郎
お葉 七之助
大工の辰 勘太郎
根岸肥前守 彌十郎
遣手お菊 萬次郎
丁兵衛 市蔵
与兵衛 亀蔵
佐平次 井之上隆志
紙屑屋久六 猿弥
和尚実は死神 獅童
石坂段右衛門 橋之助
女郎お染 扇雀
女郎喜瀬川 福助
四十郎 三津五郎
新吉 勘三郎