11月は、めずらしく初日に昼の部へ。ところが書きかけのまますでに始まってしまいましたね、12月の公演・・・。この櫓は、このまま来年4月の閉館まで上げっぱなしにするとのことです。
仮名手本はちょうど去年の秋に、浅草寺裏に小屋がけした「平成中村座」で、4プログラムに分けてやったのを全部見たのだった。あれは楽しかったなあ♪ 今回も大序の直義=七之助、判官=勘三郎、七段目の大星=ニザ様とか、同じ役を同じ人がやるのもあり、違うのもあり、比べて見るのがお楽しみ。半分はやれやれまた仮名手本かよ、と思いつつも、歌舞伎は役と役者の両方を楽しむのだからして、この時の大星はだれでどうだったこうだったと、同じ演目で違う役者さんのを見て経験値をあげるのも大事ね。そして特に仮名手本では・・・。
去年の中村座を思い出しながら、そうそう最初は人形の口上、「お茶お菓子など召し上がりながら、ゆる、ゆる、ゆる〜〜〜りと(ここで頭一回転)とご覧下さい」って、あのほんわか口上は本舞台でも同じなのだな。柝を47回打ちながらゆっくりゆっくり幕を引いて、人形振りで座っている役者さんたちがひとりずつ命を吹き込まれて動き出すのが古式でおもしろくって、ああ、歌舞伎見てるって感じでたまりませんです。
去年、弥十郎さんと橋之助さん(がんばってた)の二人で見た師直を、今回は富十郎さんがやるのがなんといっても最初の2段でのご馳走。憎たらしくて色気のある爺で、品格と下品をほどよく混ぜて結構でした。なんといっても声がいいですね、膝が悪くて動きが痛々しいのはやはり残念。勘三郎さんも梅玉さんも快調で、もちろん、仁左衛門さんの石堂はたいへん結構というか、こういうのを「役不足」と言いたい。だって、コウライヤさんが一人浮きまくった大芝居をはじめるまではとてもよかったのだから・・・・、まあ、予想の範囲内ではありますが・・・。大石は、ニザ様と吉右衛門さん以外はやっちゃだめだよ〜。あんなぷるぷる激情型の大石だったら、じっくり計画立てて運営する能力なさそう。判官よりこの大石を後ろから抱き留める必要がありそうでおかしい。そして、豪快ぶった芝居なのに、城明け渡しの最後、判官が切腹した形見の刀の血を舐めて復讐を誓うところ、神経質なおばさんみたいに、直接刃を舐めないで、指にちょっととって味見するのはあんまりよくない型ではなかろうかなどと。
番外編「道行き 旅路の花婿」これはなんと初見。ええと、かなり老けたカップルである以外は、おそらく結構な出来。あいかわらず踊りは分からずということで。
さて、夜の部はどうなることか・・・。七段目の平右衛門がコウライヤさんなのがまたしても不吉、大騒ぎかも。お軽が福助さんなのも怖いわ〜^^;)
この日はちょうど帰ったら、今年の春、自主公演で息子と一緒に勧進帳を勤めた富十郎さんのドキュメンタリー。それはそれで感動的なものでしたが、番組内でちょっとだけ映った、 30年前の延年の舞がすごかった、華麗だった! あんなにすごい踊り手だったのだ・・・、見はじめるの遅れすぎです、とびっくり。ただ30年前にはたとえ 見てもきっと全然分かんなかったけどね。
----------------------------ということで、だいぶ空いて夜の部へ------------------------
こちらは、勘平を菊五郎さん。わたし菊パパのお芝居はじめてしみじみよいと思いました。というのが夜の部一番の喜び。もちろん、一力のニザ様はこれはもう大立派。あちこちのブログで感想を読んでる限り非常に評判の悪かった福助さんも、わたしが行く日までに、さすがに誰かに釘をさされたのか、顔をひん曲げたり、余計な媚びをうることもなく、至極まっとうにおとなしくやってくれて助かった。コウライヤさんは、出てきた時はあまりに偉そうにのっしのっしで、おいおい「濡れ髪」かよ、相撲取りじゃないんだからと思いました。立派だったと評価している人もいましたが、やっぱりそれは位取りの間違いじゃないでしょうか。まあ、後半はそれほど大騒ぎでなく、多少コミカルにやってくれたので、予想より軽傷^^;)
どうせなら、十一段目より、九段目をニザ様の本蔵でもう一回見たかったなあ。でも七で大石やって九で本蔵をつなげて演じるというのはさすがに無しね。
----------------------------------昼夜やっと見終わりまして------------------------------
これでやっと「道行き 花婿」がやっと見られたので見逃しているのは十段目のみ。これがまたぜんぜんやらないらしいんだな。
12月は文楽(鑑賞教室)で仮名手本の前半(進物〜明け渡し)、歌舞伎との見比べ聞き比べを楽しみに。
歌舞伎座の12月は、初のクドカン歌舞伎を楽しみにしていたんだけれど、今のところひどく評判が悪いようで^^;) やっぱりいろいろな落語をこき混ぜたものらしい。まあ、夜の部の野田版もあるしね。
1月はいつもよりお高いので、夜の部のみ観劇予定。「すずめ」さんの体力が心配なので早いうちに。
すこしだけ花道のかけらが見えるよ、3階。
------------------------------------------------------------------
昼の部
大 序 鶴ヶ岡社頭兜改めの場
三段目 足利館門前進物の場
同 松の間刃傷の場
四段目 扇ヶ谷塩冶判官切腹の場
同 表門城明渡しの場
浄瑠璃 道行旅路の花聟
【大序・三段目】
高師直:富十郎
塩冶判官:勘三郎
足利直義:七之助
顔世御前:魁春
桃井若狭之助:梅玉
【四段目】
塩冶判官:勘三郎
石堂右馬之丞:仁左衛門
顔世御前:魁春
大星力弥:孝太郎
赤垣源蔵:松江
富森助右衛門:男女蔵
佐藤与茂七:萬太郎
小汐田又之丞:宗之助
斧九太夫:錦吾
木村岡右衛門:由次郎
大鷲文吾:秀調
原郷右衛門:友右衛門
薬師寺次郎左衛門:段四郎
大星由良之助:幸四郎
【道行】
早野勘平:菊五郎
鷺坂伴内:團蔵
腰元お軽:時蔵
夜の部
五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
同 二つ玉の場
六段目 与市兵衛内勘平腹切の場
七段目 祇園一力茶屋の場
十一段目 高家表門討入りの場
同 奥庭泉水の場
同 炭部屋本懐の場
花水橋引揚の場
【五・六段目】
早野勘平 菊五郎
女房お軽 時蔵
母おかや 東蔵
千崎弥五郎 権十郎
不破数右衛門 段四郎
判人源六 左團次
斧定九郎 梅 玉
一文字屋お才 芝翫
【七段目】
大星由良之助 仁左衛門
遊女お軽 福助
赤垣源蔵 松江
富森助右衛門 男女蔵
矢間重太郎 宗之助
中居おつる 歌江
斧九太夫 錦吾
大星力弥 門之助
寺岡平右衛門 幸四郎
【十一段目】
大星由良之助 仁左衛門
小林平八郎 歌昇
竹森喜多八 錦之助
赤垣源蔵 松江
佐藤与茂七 萬太郎
矢間重太郎 宗之助
富森助右衛門 男女蔵
大星力弥 門之助
原郷右衛門 友右衛門
服部逸郎 梅玉
仮名手本はちょうど去年の秋に、浅草寺裏に小屋がけした「平成中村座」で、4プログラムに分けてやったのを全部見たのだった。あれは楽しかったなあ♪ 今回も大序の直義=七之助、判官=勘三郎、七段目の大星=ニザ様とか、同じ役を同じ人がやるのもあり、違うのもあり、比べて見るのがお楽しみ。半分はやれやれまた仮名手本かよ、と思いつつも、歌舞伎は役と役者の両方を楽しむのだからして、この時の大星はだれでどうだったこうだったと、同じ演目で違う役者さんのを見て経験値をあげるのも大事ね。そして特に仮名手本では・・・。
去年の中村座を思い出しながら、そうそう最初は人形の口上、「お茶お菓子など召し上がりながら、ゆる、ゆる、ゆる〜〜〜りと(ここで頭一回転)とご覧下さい」って、あのほんわか口上は本舞台でも同じなのだな。柝を47回打ちながらゆっくりゆっくり幕を引いて、人形振りで座っている役者さんたちがひとりずつ命を吹き込まれて動き出すのが古式でおもしろくって、ああ、歌舞伎見てるって感じでたまりませんです。
去年、弥十郎さんと橋之助さん(がんばってた)の二人で見た師直を、今回は富十郎さんがやるのがなんといっても最初の2段でのご馳走。憎たらしくて色気のある爺で、品格と下品をほどよく混ぜて結構でした。なんといっても声がいいですね、膝が悪くて動きが痛々しいのはやはり残念。勘三郎さんも梅玉さんも快調で、もちろん、仁左衛門さんの石堂はたいへん結構というか、こういうのを「役不足」と言いたい。だって、コウライヤさんが一人浮きまくった大芝居をはじめるまではとてもよかったのだから・・・・、まあ、予想の範囲内ではありますが・・・。大石は、ニザ様と吉右衛門さん以外はやっちゃだめだよ〜。あんなぷるぷる激情型の大石だったら、じっくり計画立てて運営する能力なさそう。判官よりこの大石を後ろから抱き留める必要がありそうでおかしい。そして、豪快ぶった芝居なのに、城明け渡しの最後、判官が切腹した形見の刀の血を舐めて復讐を誓うところ、神経質なおばさんみたいに、直接刃を舐めないで、指にちょっととって味見するのはあんまりよくない型ではなかろうかなどと。
番外編「道行き 旅路の花婿」これはなんと初見。ええと、かなり老けたカップルである以外は、おそらく結構な出来。あいかわらず踊りは分からずということで。
さて、夜の部はどうなることか・・・。七段目の平右衛門がコウライヤさんなのがまたしても不吉、大騒ぎかも。お軽が福助さんなのも怖いわ〜^^;)
この日はちょうど帰ったら、今年の春、自主公演で息子と一緒に勧進帳を勤めた富十郎さんのドキュメンタリー。それはそれで感動的なものでしたが、番組内でちょっとだけ映った、 30年前の延年の舞がすごかった、華麗だった! あんなにすごい踊り手だったのだ・・・、見はじめるの遅れすぎです、とびっくり。ただ30年前にはたとえ 見てもきっと全然分かんなかったけどね。
----------------------------ということで、だいぶ空いて夜の部へ------------------------
こちらは、勘平を菊五郎さん。わたし菊パパのお芝居はじめてしみじみよいと思いました。というのが夜の部一番の喜び。もちろん、一力のニザ様はこれはもう大立派。あちこちのブログで感想を読んでる限り非常に評判の悪かった福助さんも、わたしが行く日までに、さすがに誰かに釘をさされたのか、顔をひん曲げたり、余計な媚びをうることもなく、至極まっとうにおとなしくやってくれて助かった。コウライヤさんは、出てきた時はあまりに偉そうにのっしのっしで、おいおい「濡れ髪」かよ、相撲取りじゃないんだからと思いました。立派だったと評価している人もいましたが、やっぱりそれは位取りの間違いじゃないでしょうか。まあ、後半はそれほど大騒ぎでなく、多少コミカルにやってくれたので、予想より軽傷^^;)
どうせなら、十一段目より、九段目をニザ様の本蔵でもう一回見たかったなあ。でも七で大石やって九で本蔵をつなげて演じるというのはさすがに無しね。
----------------------------------昼夜やっと見終わりまして------------------------------
これでやっと「道行き 花婿」がやっと見られたので見逃しているのは十段目のみ。これがまたぜんぜんやらないらしいんだな。
12月は文楽(鑑賞教室)で仮名手本の前半(進物〜明け渡し)、歌舞伎との見比べ聞き比べを楽しみに。
歌舞伎座の12月は、初のクドカン歌舞伎を楽しみにしていたんだけれど、今のところひどく評判が悪いようで^^;) やっぱりいろいろな落語をこき混ぜたものらしい。まあ、夜の部の野田版もあるしね。
1月はいつもよりお高いので、夜の部のみ観劇予定。「すずめ」さんの体力が心配なので早いうちに。
すこしだけ花道のかけらが見えるよ、3階。
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昼の部
大 序 鶴ヶ岡社頭兜改めの場
三段目 足利館門前進物の場
同 松の間刃傷の場
四段目 扇ヶ谷塩冶判官切腹の場
同 表門城明渡しの場
浄瑠璃 道行旅路の花聟
【大序・三段目】
高師直:富十郎
塩冶判官:勘三郎
足利直義:七之助
顔世御前:魁春
桃井若狭之助:梅玉
【四段目】
塩冶判官:勘三郎
石堂右馬之丞:仁左衛門
顔世御前:魁春
大星力弥:孝太郎
赤垣源蔵:松江
富森助右衛門:男女蔵
佐藤与茂七:萬太郎
小汐田又之丞:宗之助
斧九太夫:錦吾
木村岡右衛門:由次郎
大鷲文吾:秀調
原郷右衛門:友右衛門
薬師寺次郎左衛門:段四郎
大星由良之助:幸四郎
【道行】
早野勘平:菊五郎
鷺坂伴内:團蔵
腰元お軽:時蔵
夜の部
五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
同 二つ玉の場
六段目 与市兵衛内勘平腹切の場
七段目 祇園一力茶屋の場
十一段目 高家表門討入りの場
同 奥庭泉水の場
同 炭部屋本懐の場
花水橋引揚の場
【五・六段目】
早野勘平 菊五郎
女房お軽 時蔵
母おかや 東蔵
千崎弥五郎 権十郎
不破数右衛門 段四郎
判人源六 左團次
斧定九郎 梅 玉
一文字屋お才 芝翫
【七段目】
大星由良之助 仁左衛門
遊女お軽 福助
赤垣源蔵 松江
富森助右衛門 男女蔵
矢間重太郎 宗之助
中居おつる 歌江
斧九太夫 錦吾
大星力弥 門之助
寺岡平右衛門 幸四郎
【十一段目】
大星由良之助 仁左衛門
小林平八郎 歌昇
竹森喜多八 錦之助
赤垣源蔵 松江
佐藤与茂七 萬太郎
矢間重太郎 宗之助
富森助右衛門 男女蔵
大星力弥 門之助
原郷右衛門 友右衛門
服部逸郎 梅玉
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