義経千本桜の通し。歌舞伎で「渡海屋」と「大物浦」を見るのははじめて、吉右衛門さんだし、かなり期待して。
でも、渡辺保先生も、通の方も大絶賛だったこの幕をあんまり楽しめなかったのは、たぶんひどい運の悪い日に当たってしまったため。
・なんと両側共かなり大きめのおじさん。私もデカイからして、肩をすくめた体勢でずっとロック&足も動かせず。片側のメタボさんはずっとチョコ、飴、せんべい(臭う!)、ガムとごそごそ食べ続け、お茶とお水も1リットル弱飲み干してたので、あれは絶対糖尿だよな〜。
・「この知盛に出家せよとな、汚らわしい」と首にかけられた数珠を引きちぎろうとしてちぎろうとして・・・、だいぶ努力したあげく千切れず、投げ捨ててました。あれは千切れないのが正しいのかなあ、でも、なんだか千切れないことに芝居でなく困って苛ついて見えた。
・知盛がいよいよ体に碇の綱を巻き付けて入水という、一番しーんとしたところで、携帯なりひびき〜の。やれやれ、せめて建て替えたら新歌舞伎座では電波を完全にシャットアウトして欲しいな。
・知盛は、碇が後ろに落ちてからそのままずいぶん間があいて、かがんで、綱と裾のぐあいを調整。緊張感が切れてちょっとしらけた。たぶん普段の吉右衛門さんだったらやらないのでは・・・。やっぱり携帯音が聞こえてがっくりきて緩んだ? なにか引っかかっていて後ろの黒子さんから直して下さいって声がかかったのかしら。
・みなさん大絶賛の、幕外の引っ込みの弁慶の感動的なホラ貝・・・・。鳴りませんでした。Why? まさかの聞き逃しかと思ったけど、やっぱり2チャンで複数の人が4日は鳴らなかったと、亀パパったらホラ貝持って出るのを忘れたのかと、・・・。
てなことで、なんだかいろいろ気がそがれて期待したほどは・・・。ちょっと悔しい。もちろん、吉右衛門さん全体にはよかった。すごい気合いの入った芝居だったと思う。玉さまは文句なくよかった。富十郎さんは、さすがの貫禄とうまさだった(多少生気にかけたかな)というのはあれど・・・。
あとは、やっぱり私はニザ様贔屓眼鏡のため、『和楽』に出ていた渡海屋銀平の無茶苦茶かっこいい&色っぽいお写真が脳裏に焼き付いてるからな〜っと。
と、本筋と関係なく、渡海屋を見るといつも思うんだけど、強い方にひょいひょい乗り換える伝統を幼児にして身につけていて安ちゃんはすごいぞ。というのと、せっかく義経に引き取られたものの、その後の幕では、「あ」の字も「て」の字もないんだけど、知盛が白状して女の子だって分かってどっか海にでも捨てちゃったの? (だいたい自分が追われる身の義経は、そんなもの引き取っている場合だろうか?)
「吉野山」の道行きは、菊之助さんもきれいではあったが。たぶん私がちゃんと歌詞が聞き取れていないからいまいちというのもあり(この頃、踊りは当振りよねっと思っている)。文楽の演出とどこが違うのか(歌舞伎の方は、実は狐であることをいっぱい強調)というのが見方の主な興味に。逸見藤太の松緑さんだけは、ちょっとおいしかった。
「川連法眼館」は、狐の菊五郎さんがね〜、年齢の割にはがんばってたというか、手すり飛び越えたり、手すりの上を歩いたり、こなしてはいたけれど、どうも見ているこちらがハラハラどきどき、心の中で「よっこいしょ」っと。前に歌舞伎で見たのは海老蔵なのできぴきぴと勢いはあったし、宙乗りはしたし。何より、文楽で勘十郎さんの絶品狐宙乗り付きを2回連続で見てしまっているので、幕切れにちょっと桜の木にぶらさがって見せられてもなあ・・・、これはイマイチ、ぜんぜん哀れもカタルシスがなかった。しかも、階段からどんがらでぱっと現れた狐の袴が、実は挟まってたというトホホもあり、まあ、全体に運の悪い日だったかな。
次、せめて昼の部に期待を!
千本桜に合わせて、公園の狂い咲きしている桜を。十月桜ではありません。たしかソメイヨシノ。毛虫に丸裸にされて調子狂っちゃったのかも。
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通し狂言 義経千本桜 (渡海屋、大物浦、吉野山、川連法眼館)
でも、渡辺保先生も、通の方も大絶賛だったこの幕をあんまり楽しめなかったのは、たぶんひどい運の悪い日に当たってしまったため。
・なんと両側共かなり大きめのおじさん。私もデカイからして、肩をすくめた体勢でずっとロック&足も動かせず。片側のメタボさんはずっとチョコ、飴、せんべい(臭う!)、ガムとごそごそ食べ続け、お茶とお水も1リットル弱飲み干してたので、あれは絶対糖尿だよな〜。
・「この知盛に出家せよとな、汚らわしい」と首にかけられた数珠を引きちぎろうとしてちぎろうとして・・・、だいぶ努力したあげく千切れず、投げ捨ててました。あれは千切れないのが正しいのかなあ、でも、なんだか千切れないことに芝居でなく困って苛ついて見えた。
・知盛がいよいよ体に碇の綱を巻き付けて入水という、一番しーんとしたところで、携帯なりひびき〜の。やれやれ、せめて建て替えたら新歌舞伎座では電波を完全にシャットアウトして欲しいな。
・知盛は、碇が後ろに落ちてからそのままずいぶん間があいて、かがんで、綱と裾のぐあいを調整。緊張感が切れてちょっとしらけた。たぶん普段の吉右衛門さんだったらやらないのでは・・・。やっぱり携帯音が聞こえてがっくりきて緩んだ? なにか引っかかっていて後ろの黒子さんから直して下さいって声がかかったのかしら。
・みなさん大絶賛の、幕外の引っ込みの弁慶の感動的なホラ貝・・・・。鳴りませんでした。Why? まさかの聞き逃しかと思ったけど、やっぱり2チャンで複数の人が4日は鳴らなかったと、亀パパったらホラ貝持って出るのを忘れたのかと、・・・。
てなことで、なんだかいろいろ気がそがれて期待したほどは・・・。ちょっと悔しい。もちろん、吉右衛門さん全体にはよかった。すごい気合いの入った芝居だったと思う。玉さまは文句なくよかった。富十郎さんは、さすがの貫禄とうまさだった(多少生気にかけたかな)というのはあれど・・・。
あとは、やっぱり私はニザ様贔屓眼鏡のため、『和楽』に出ていた渡海屋銀平の無茶苦茶かっこいい&色っぽいお写真が脳裏に焼き付いてるからな〜っと。
と、本筋と関係なく、渡海屋を見るといつも思うんだけど、強い方にひょいひょい乗り換える伝統を幼児にして身につけていて安ちゃんはすごいぞ。というのと、せっかく義経に引き取られたものの、その後の幕では、「あ」の字も「て」の字もないんだけど、知盛が白状して女の子だって分かってどっか海にでも捨てちゃったの? (だいたい自分が追われる身の義経は、そんなもの引き取っている場合だろうか?)
「吉野山」の道行きは、菊之助さんもきれいではあったが。たぶん私がちゃんと歌詞が聞き取れていないからいまいちというのもあり(この頃、踊りは当振りよねっと思っている)。文楽の演出とどこが違うのか(歌舞伎の方は、実は狐であることをいっぱい強調)というのが見方の主な興味に。逸見藤太の松緑さんだけは、ちょっとおいしかった。
「川連法眼館」は、狐の菊五郎さんがね〜、年齢の割にはがんばってたというか、手すり飛び越えたり、手すりの上を歩いたり、こなしてはいたけれど、どうも見ているこちらがハラハラどきどき、心の中で「よっこいしょ」っと。前に歌舞伎で見たのは海老蔵なのできぴきぴと勢いはあったし、宙乗りはしたし。何より、文楽で勘十郎さんの絶品狐宙乗り付きを2回連続で見てしまっているので、幕切れにちょっと桜の木にぶらさがって見せられてもなあ・・・、これはイマイチ、ぜんぜん哀れもカタルシスがなかった。しかも、階段からどんがらでぱっと現れた狐の袴が、実は挟まってたというトホホもあり、まあ、全体に運の悪い日だったかな。
次、せめて昼の部に期待を!
千本桜に合わせて、公園の狂い咲きしている桜を。十月桜ではありません。たしかソメイヨシノ。毛虫に丸裸にされて調子狂っちゃったのかも。
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通し狂言 義経千本桜 (渡海屋、大物浦、吉野山、川連法眼館)
渡海屋銀平実は新中納言知盛:吉右衛門
女房お柳実は典侍の局:玉三郎
武蔵坊弁慶:段四郎
源義経:富十郎(渡海屋、大物浦)
佐藤忠信実は源九郎狐:菊五郎
静御前:菊之助
逸見藤太: 松緑
源義経:時蔵 (川連法眼館 )
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