こっちはもう一月近く前に見た高座ですな、トンフルの初期騒動のさなかだったかも・・・^^;)
5月25日 中野zeroホール
瀧川鯉昇:船徳(たっぷり!)
立川志の輔:バールのようなもの
--中入り--
ゆるく対談
瀧川鯉昇:武助馬(武助芝居)
「船徳」
高
座に上がるとまず、ずーっと黙って座ってにっこりにっこりハッピーオーラを出しまくる鯉昇さん。「わたしが何分黙っているか賭けをなさっている向きもある
ようですが・・・」と、独特の脱力マクラ。「熱演しようなんて言う気はさらさらありません」と言ったものの、これはすごい長講&熱演でした。鯉昇さんの
「舟」は、前後ではなく斜めにゆれるので、ぎったんばったんの動作がより大きくてたいへんそう。若旦那が「質屋」のせがれという設定だったので、あれれ?
と思っていたら、落ちがはじめて聞いた「質屋」を使ったものだった。流れていってしまった太った旦那のその後が心配です。
「バールのようなもの」
久
しぶりの志の輔さんは、もうはなからチケットを取ること自体諦めているので、わずか2回目か3回目かな。この噺は後から調べたら、清水義範の短編小説
「バールのようなもの」を落語に直したものだそう。快調に飛ばす飛ばすで、なんでも理屈を付けちゃう隠居とはっつぁんのすばやいやりとりは、頭の中で卓球
のはげしいラリーが続くような快感? ただ最後の肝心要の言葉「妾のようなもの」(これは志の輔オリジナルらしい)というのは、うーん、現在の(設定は現
在)大工であるごくごく庶民のはっつぁんに「妾」はへんじゃないかしら? やっぱり「妾」といったら、どっかに囲うというとってもお金のかかる関係だもの
なあ。スナックのお姉ちゃんとほっぺたくっつけてデュエットしてただけで「妾」「妾」というのは、かなり違和感。まあ、「愛人」じゃ同じことだし、「恋
人」でもピントが外れるし・・・・。元の小説一回読んでみようっと。
2席がどっちも濃く長かったので、幕が下りてアナウスもなく、あれこ
れで終わりかしら感がただよったところで休憩でしたのアナウス。次、幕が上がってみれば、おじさん二人並んでゆるゆるのトーク。この全然毛色の違う二人
は、真打ちになったのが同期で、なんとか賞というのを2年連続で分け合った間柄だそうで、ふーん、それで(それなりに)仲がいいということだったのね。
「武助馬」は、あんまり掛からない噺じゃないかな。生で聞いたのは始めて。落ちがいまいちピンとこないところがこの噺の弱点か、鯉昇さんのキャラにはあっていて、まずまずの楽しさ。
まあ、この日の白眉はなんといっても鯉昇さん熱演の「船徳」、たいへん満足。