東京都庭園美術館で、〜3月31日まで(たぶん、途中で展示替えあり)。
去年、神戸ファッション美術館ではじまって巡回、やってくるのを長々待ってました!
プルーストの『失われた時を求めて』の中で、何回も魅力的に記述されるフォルチュニィのドレス。どんなものか見たくて見たくてン十年、やっと、実物を拝見。
などなどなど・・・どうでしょ、本物が、見たくなりませんか(笑)? なるほどこれかと思えるすばらしい生地とデザインだったな〜うっとり〜♪ 布の切れ端でも欲しいぞ。
二人のデザイナーのどちらが好みかと言えば、圧倒的にフォルチュニィ。ただクチュリエというよりは造形追求的、建築的、アーティスト的、つまり天才。ポール・ポワレももちろんいいんだけど、はい、すてきな衣装ですね。いろんなことやりましたね、という感じ、つまり秀才か。
私の中では、フォルチュニィが一生タイプで、ポワレがケンゾータイプ。というか、もちろん先行するこのフランスの2人を先に置くべきだけど。
そして、なんといってもフォルチュニィのデルフォイドレスのシリーズ(上のちらしの左)は、プリーツプリーズそのものでびっくり。
フォルチュニィのは、絹で、プリーツはすごく細かくてなめらかでナチュラル色っぽい、発色もすばらしくて圧倒的にゴージャスですてき。もちろん、当時ものすごいお値段の高級品だったはず。
現在、化繊で自宅で洗えて、わたしでも買えるような安価なものを庶民向けに開発してくれたということでは、一生さんにたいへん感謝ですが(好きだし、けっこう持ってるし)。それにしても、うーむ、こんなそのものずばりの元ネタがあったんだね〜!
デルフォイドレスがひとつ、当時売られていた、かわいい小さな帽子箱のような特製ボックスごと展示されているのもおもしろかった。プリーツが伸びちゃうので吊り下げ禁止、仕舞うときはぐるぐるっととぐろ巻かせて入れておくように指示付き(これもプリーツプリーズに似ているね)。しかし、絹でしょ、洗濯はいったいどうしたのであろうか? 超お金持ちしか着ないから、何回か着たらおしまいだったのかな。
ただ、ポワレのなかで、ラウル・デュフィにデザインさせたプリントのプリント生地はめっぽうすてき♪ 去年の暮れから今年頭、パリの美術館でデュフィのテキスタイルを中心にした展覧会をやっていたはず、見たかったなあ。カタログだけでも入手しようかなあ。
しかし、いつか行きたい、詣でたい、ベネツィアのフォルチュニィ美術館!
蛇足:そういえば、フォルチュニィのドレスをコレクションしていて有名だったのは、ティナ・チャウ(ティナ・ラッツ)----あまりにも懐かしいお名前&反応すると年がばれちゃう----と思い出し、ちょっと調べてみたら(彼女は90年代頭に、エイズで死んじゃってますが)、娘さんがチャイナ・チャウ(あんまりな名前だ!)として、女優さん。しかもキアヌ・リーブスの恋人(2008年現在は)ですって!
蛇足:ちなみに、目黒区美術館でやっている「祝祭の衣装展」(ロココ中心)と、それぞれのチケット半券をもっていけば100円引きにしてくれるそう。うーん、ロココはいいやあ。
去年、神戸ファッション美術館ではじまって巡回、やってくるのを長々待ってました!
プルーストの『失われた時を求めて』の中で、何回も魅力的に記述されるフォルチュニィのドレス。どんなものか見たくて見たくてン十年、やっと、実物を拝見。
ゲルマント夫人が身につけるドレスや部屋着のなかで、一定の意図にぴったり適合して特殊な意味を帯びているように見えるのは、フォルトゥニーがヴェネツィアの古代模様をかたどって作ったドレスだった。その歴史的性格のためか、あるいはむしろ一つひとつのドレスが独特のものであるためか、とにかくこれらのドレスは特殊な風格を与えられ、それを身につけて客を待ち、来客と話をする婦人のポーズも、異常な重々しさを帯びてくる----あたかも衣装は長い熟慮の結実であり、また会話は小説の一場面のごとく日常から遊離したもののように見えるのである。
「それからこのあいだの晩は変なにおいのするドレスをお召しでしたね。くすんでけば立っていて、斑点と金色の縞が入っていて、まるで蝶々の翅のような」「ああ、あれはフォルトゥニーのもの。そのお嬢さんも・・・」
その夜アルベルチーヌが身につけていたフォルトゥニーの部屋着は、あの目に見えぬヴェネツィアの、心をそそる影のように思われた。その部屋着にはアラビア風の装飾がつけられていた・・・・(中略)・・・その鳥の模様が繰り返し配されているきらきらした布地の濃い青色は、徐々に目を近づけてみるとやわらかい金にかわってしまい、それはちょうど進んでいくゴンドラの前方で、大運河の青い色が華麗な燃え上がる金属に変質するのと同様だった。袖の裏地は桜桃のようなバラ色で、それはヴェネツィア独特の色であるためにティエポロのバラ色と呼ばれているものだった。
〜平凡社、鈴木道彦訳から
などなどなど・・・どうでしょ、本物が、見たくなりませんか(笑)? なるほどこれかと思えるすばらしい生地とデザインだったな〜うっとり〜♪ 布の切れ端でも欲しいぞ。
二人のデザイナーのどちらが好みかと言えば、圧倒的にフォルチュニィ。ただクチュリエというよりは造形追求的、建築的、アーティスト的、つまり天才。ポール・ポワレももちろんいいんだけど、はい、すてきな衣装ですね。いろんなことやりましたね、という感じ、つまり秀才か。
私の中では、フォルチュニィが一生タイプで、ポワレがケンゾータイプ。というか、もちろん先行するこのフランスの2人を先に置くべきだけど。
そして、なんといってもフォルチュニィのデルフォイドレスのシリーズ(上のちらしの左)は、プリーツプリーズそのものでびっくり。
フォルチュニィのは、絹で、プリーツはすごく細かくてなめらかでナチュラル色っぽい、発色もすばらしくて圧倒的にゴージャスですてき。もちろん、当時ものすごいお値段の高級品だったはず。
現在、化繊で自宅で洗えて、わたしでも買えるような安価なものを庶民向けに開発してくれたということでは、一生さんにたいへん感謝ですが(好きだし、けっこう持ってるし)。それにしても、うーむ、こんなそのものずばりの元ネタがあったんだね〜!
デルフォイドレスがひとつ、当時売られていた、かわいい小さな帽子箱のような特製ボックスごと展示されているのもおもしろかった。プリーツが伸びちゃうので吊り下げ禁止、仕舞うときはぐるぐるっととぐろ巻かせて入れておくように指示付き(これもプリーツプリーズに似ているね)。しかし、絹でしょ、洗濯はいったいどうしたのであろうか? 超お金持ちしか着ないから、何回か着たらおしまいだったのかな。
ただ、ポワレのなかで、ラウル・デュフィにデザインさせたプリントのプリント生地はめっぽうすてき♪ 去年の暮れから今年頭、パリの美術館でデュフィのテキスタイルを中心にした展覧会をやっていたはず、見たかったなあ。カタログだけでも入手しようかなあ。
しかし、いつか行きたい、詣でたい、ベネツィアのフォルチュニィ美術館!
蛇足:そういえば、フォルチュニィのドレスをコレクションしていて有名だったのは、ティナ・チャウ(ティナ・ラッツ)----あまりにも懐かしいお名前&反応すると年がばれちゃう----と思い出し、ちょっと調べてみたら(彼女は90年代頭に、エイズで死んじゃってますが)、娘さんがチャイナ・チャウ(あんまりな名前だ!)として、女優さん。しかもキアヌ・リーブスの恋人(2008年現在は)ですって!
蛇足:ちなみに、目黒区美術館でやっている「祝祭の衣装展」(ロココ中心)と、それぞれのチケット半券をもっていけば100円引きにしてくれるそう。うーん、ロココはいいやあ。
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