ふたりのビッグショー(市馬+喬太郎)

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20081110_104.jpg落語もいろいろ積み残し。友人が行けなくなった券で、10月10日、練馬文化会館小ホール。

柳家喬の字 「短命」
 色っぽい若後家さんだけじゃなくって、乱暴な長屋のお上さんも、乱暴ながらも「女」にしなくっちゃあ。そこをちょっと可愛くやらなくっちゃあ、まだまだ〜。

寒空はだか 歌謡漫談
 2回目、自分で客席に寒さを作り出す不思議な芸風。「プロバイター」の歌はなかなかおもしろかったよん。

柳亭市馬「ねずみ穴」
 はて? なぜねずみ穴、なにがしたくて? この重〜い暗〜い聞いていて愉快でない噺をかけるときには、みなさんそれなりの自分の工夫とか、でもここんとこ聞かせたい、があるのだと思うんだけど。漫然とやられるとなあ、第一、こういう噺はお人柄にあっていないような、かつ単に、荷売りのかけ声のところだけ生き生きと。しかも、登場人物の荷売りの声じゃなくって、素の市馬さん本人の美声を聞かせたかっただけのようであります。がっかり。

柳亭市馬+恩田えり 音曲漫才
 あんまりだなあ! 声の質の良さは認めるけど、歌はそれほどうまいとは思えず・・・漫談が芸になっているわけでもなく。歌謡漫談のなんとか師匠ののコピーです、とプログラムに書いてあったけど、なんとか師匠に失礼には当たらないのだろうか!? わたしが歌謡曲なるものが苦手というのでだいぶ割り引くにしても「あたら声がよかったばっかりに」というのが残念、まじめに落語と取り組んでくれればよかったのにね(すでに過去形、あきらめ形・・・笑)。

柳家喬太郎「双蝶々」
 どうやってこの会に修まりをつけてくれるのかと思ったら、じっくり重い圓朝で来ましたか。この間同じ話を聞いた三軒茶屋での独演会に比べると少々集中できなかったのは、演じた方の問題ではなく、一に前の「えっ!?」の演目と、二に照明が少しからりと明るすぎかと。
長吉が盗みをするシーンで、芝居帰りの娘さんから簪を、というのが前に聞いたバージョン。今回はそれを失敗させて、なんと「ねずみ穴」の父親が吉原に娘を売って出てきて、ぼーっとしているところから盗むというのに、前の市馬さんの演目からすばやく取って劇中劇(噺中噺)で、やるねえ! その辺の反射神経のよいところも喬太郎さんの高座のお楽しみ。ちなみに「ねずみ穴」という超ダークな噺も喬太郎さんがやったらおもしろいかと思われ、ちょっと聞いてみたいもの。

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このページは、かえるが2008年11月28日 15:09に書いたブログ記事です。

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